‘03年10月につくば大学にて第6回アジアデザイン国際会議が行われ、その際に学術的会議にもう少し産業界からの考えも入れようという趣旨で、産業界からもメンバーが招待されました。そのときのメンバーが、その後も何回か集まって意見交換しているうちに、“研究部会を創設してデザインとビジネス(経営)の関わりの研究を続けてはどうか”とのお話を感性工学会からいただきまして「デザイン&ビジネス研究部会」が発足致しました。
成熟社会でのマーケテイングの機軸は、企業の持つ感性に関わるあらゆる情報の創造、展開、管理の一元的マネジメントでありその主管部門としてデザインはますます期待されているのですが、更にソフトとハードのハイブリッド商品の出現や海外生産などで必然的に生産マネジメントにも大いに関わりが出てきており企業内デザイン部門は否応なしに時代の改革の先頭を走らざるを得なくなっています。しかし、その一方このことを理解しているデザイナーは少なく更にこの問題に挑戦しているデザイナーはもっと少なく経営者にいたっては更に少ないという現実があり、この意味からのデザインマネジメント(ここではmanagement
of design-MODと呼んでいる。)の重要性の認識が薄いのです。この観点からデザインマネジメントが論じられる機会はほとんどなく当然その議論のベースになるような確立されかつ権威のある公知の論調はいまだ存在しないという空白情況が発生しています。にもかかわらずデザイン関係者や経営者がそれぞれ別々に活動し、一緒にデザインの可能性と重要性を意見交換したり考えたりする機会はほとんどありません。というわけで、この研究部会では少しずつでもまずはメンバー間で問題の認識の方向や深さや領域などを披露しあうといった自由な雰囲気で勉強できればと願っております。従いましてこの研究会では結論を急ぐよりもまずは経営とデザインを繋ぐ新しい観点や問題点をあぶり出す事を一義とし、そうすることにより自ずと次の目標が見えてくるであろうと期待しているのです。
皆様のご意見や部会への参加を歓迎いたします。
なお、現在のメンバーと過去に発表された著述物はサイト内の「
メンバーリスト」及び「
研究部会発表著述物リスト」をご参照ください。